「貨物運行管理者」テスト対策として、「道路運送車両法」について、過去問も含めて考えてみましょう。

目次

「道路運送車両法」は、全体30問中4問出題されます。

その中で、「自動車の点検」「自動車の保安基準」は必ず出題されていますので、ポイントを整理して覚えましょう。

「自動車の点検(日常点検・定期点検)」について、事業用自動車は、安全性の確保のため、1日1回運行開始前に日常点検を行うことが義務付けられています。

日常点検整備

1)事業用自動車の日常点検:事業用自動車の使用者またはこれらの自動車を運行する者は、1日1回、運行の開始前において、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。

2)事業用自動車の日常点検の例外:毎日運行前にすべて点検するのは大変です。したがって、一部の点検(点検時期 B)については、1日1回ではなく、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期を行えばよいとされています。

3)整備義務:自動車の使用者は、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするために、または保安基準に適合させるために、その自働車について必要な整備をしなければならない。

1日1回、運行開始前に行う点検箇所                     ①ブレーキに関すること                           ②タイヤの空気圧が適当であること                      ③タイヤに亀裂・損傷がないこと                          ④タイヤに異常な摩耗がないこと                       ⑤灯火装置・方向指示器に関すること                     ⑥エア・タンクにぎ水がないこと                       ⑦運行において異常が認められた箇所

走行距離から判断した適切な時期に行えばよい点検箇所:            ①タイヤの溝の深さが十分であること                     ②バッテリー、原動機に関すること                      ③ウインドウオッシャ、ワイパに関すること

練習問題(○×問題)

問題ー1.自動車の使用者は、自動車の点検をし、および必要に応じて整備をすることにより、自動車を点検基準に適合するように維持しなければならない。

答えと解説:「誤り」自動車の使用者は、自動車の点検をし、および必要に応じて整備をすることにより、自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。

問題ー2.タイヤの溝の深さが十分であることについての日常点検は、自動車の走行距離、運行時の状態から判断した適切な時期に行えばよい。

答えと解説:「正しい」タイヤに関する他の日常点検「空気圧が適当であること」「亀裂及び損傷がないこと」「異常な摩耗がないこと」について、1日1回運行開始前に行います。

問題ー3.自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、6カ月ごとに国土交通省令で定める技術上の基準により、自動車の定期点検をしなければならない。

答えと解説:「誤り」自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、3カ月ごとに国土交通省令で定める技術上の基準により、自動車の定期点検をしなければならない。

自動車の保安基準

保安基準は数字が多く出題されます。

自動車の長さ・幅・高さ=長さ12ⅿ、幅2.5ⅿ、高さ3.8ⅿ

安定性に関し告示で定める基準

 ①空車状態および積車状態におけるかじ取り車輪の接地部にかかる荷重の総和が、それぞれ車輛重量および車両総重量の20%以上であること。

 ②空車状態において、自動車を35度(車両総重量が車両重量の1.2倍以下の自動車にあっては30度)まで傾けた場合に転覆しないこと。

窓ガラスに関し告示で定める基準

 ①透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。

 ②運転者が交通状況を確保するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の通過率が70%以上のものであること。

 ③フイルムが貼り付けられた場合、当該フイルムが貼り付けられた状態においても、透明であり、かつ、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上であることが確保できるものでなければなりません。

窓ガラスの装着物

 ①整備命令標章

 ②臨時検査合格標章

 ③検査標章

 ④保安基準適合標章

 ⑤保険標章、共済標章または保険・共済除外標章

 ⑥道路交通法に定める故障ステッカー

 ⑦その他、運転者の視野の確保に支障がないものとして告示で定めるもの

 ⑧その他、国土交通大臣または地方運輸局長が指定したもの

練習問題(○×問題)

問題ー1.自動車は、告示で定める方法により測定した場合において、長さ12ⅿ、幅2.5ⅿ、高さ3.8ⅿを超えてはならない。

答えと解説:○ 自動車の大きさに関する問題で、数字は覚えましょう。

問題ー2.貨物の運送の用に供する普通自動車であって、車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上のものの原動機には、自動車が100㎞/hを超えて走行しないように性能を有する速度抑制装置を備えなければならない。

答えと解説:× 自動車が90㎞/hを超えて走行しないような性能を有する速度抑制装置を備えなければならない。

速度抑制装置の性能は(90㎞/hを超えない)や窓ガラスにおける可視光線の透過率(70%以上)は、必ず覚えましょう。

自動車の保安基準 ②

前照灯等の関し告示で定める基準

①走行用前照灯は、そのすべてを照射したときは、夜間に前方100ⅿの距離にある交通上の障害物を確保できる性能を有するものであること。

②すれ違い用前照灯は、その照射光線が他の交通を妨げないものであり、かつ、その全てを同時に照射したときに、夜間に前方40ⅿの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること。

③走行用前照灯・すれ違い用前照灯の投光の色は、白色であること。

方向指示器に関し告示で定める基準

①指示方向100ⅿの位置から、昼間において点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。

②方向指示器の投光の色は、橙色であること。

③車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の普通自動車には、両側面の前部および中央部に備えること。

④毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものであること。

非常信号用具に関し告示で定める基準

①夜間200ⅿの距離から確認できる赤色の投光を発するものであること。

②自発光式のものであること。

停止表示器材に関し告示で定める基準

①夜間200ⅿの距離から走行用前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から確認できるものであること。

②昼間200ⅿの距離からその蛍光を確認できるものであること。

③反射光およびけい光の色は、赤色であること。

後写鏡等に関し告示で定める基準

①取付け部付近の自動車の最下部が、地上1.8ⅿ以下のものは、当該部分が歩行者等に抵触した場合に衝撃を緩衝できる構造であること。

②運転者が運転者席において、自動車の左右の外側線上後方50ⅿまでの間にある車両の交通状況および自動車の左外側線付近の交通状況を確認できるものであること。

運行記録計の備え付けが必要な自動車

①貨物の運送の用に供する普通自動車であって、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上のもの。

②①の自動車の該当にする被けん引自動車をけん引するけん引自動車。

練習問題(〇×問題)

問題ー①貨物の運送の用に供する普通自動車であって車両総重量5トン以上のものの後面には、大型後部反射器を備えなければならない。

答えと解説:× 大型後部反射器を備えなければならないのは、貨物の運送の用に供する普通自動車であって車両総重量7トン以上のものです。

問題ー②非常信号用具は、夜間100mの距離から確認できる赤色の灯光を発するものでなければならない。

答えと解説:夜間200mの距離から確認できるものです。

「自動車の保安基準」と「自動車の保安基準 ②」の数字は非常に重要です。  

黄色回転灯を備えられるのは、道路維持作業用自動車だけです。

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