トラック運送業「物流塾」で、「契約の基礎」「運送会社・倉庫営業者の責任」について考えましょう。(NO-4)

運送・倉庫営業者の責任について

【前提条件】

・メーカー(A社)は、運送会社B社にお客様D社に納入する機械(販売価格100万円)の運送を5万円で発注。B社は一切の「特約で損害賠償を負う」ありとする。

・B社は、C社へ運送を運賃4万円で下請けしたが、「損害賠償を負わないとする特約」C社の運送中、交通事故で、機械が壊れた。

・壊れた部材で再制作と建設工事3カ月延び、10百万円の建設コスト増、工場稼働できず逸失利益1億円。

・納入機械は、壊れて50万円の価値になった。

・警察は、事故の原因としてC社運転者にも1割の過失があるとしている。

「問題」A社はB社にいくらの賠償請求ができるか?

「問題」B社はC社にいくらの賠償請求ができるか?

なお、交通事故の連絡はすぐ関係者に行われていたとの条件。

1.B社からA社に「損害賠償義務」を負う。

・C社運転者に過失があるので、B社は注意義務を怠っている。

・B社はA社に最大1億1080万円(契約で一切の損害を賠償するとしている)

  再制作費 80万円+建設コスト増加賠償 1千万円+逸失利益 1億円

2.B社のC社に対する求償額は、C社はB社に損害賠償義務を負う。

・C社運転者い過失があるが、10%なので悪意重過失はない。

・C社はB社に損害賠償責任を負う。

・賠償額は、46万円(特約で法定責任しか追及できない)

  到達地の額は100万円ー事故後の価格50万円-運賃不払い4万円

【結果】B社は、1億1034万円の持ち出し。

・元請契約と下請契約を同じにしておくことが重要。

3.運送会社の法定責任

・大量の運送を扱う運送会社を保護する目的から、「運送貨物の滅失・毀損は、商法で賠償の範囲が、貨物の価額に限定されている。

①運送品の全部滅失の場合⇒引渡し予定日の到達地の価格。

②運送品の一部滅失または毀損の場合⇒引渡しのあった日の到達地の価格をもとに毀損割合から算出した額、支払われない運賃等の費用は、上記価格から控除する。

③運送品の延着⇒「延着は、商法で賠償の範囲は限定されていない。」

4.運送会社に責任を追及する要件

①一定期間に貨物の滅失・毀損があることを通知し、引き取りから1年以内に損害補填の請求をしなければならない。

②運送会社が、注意を怠らなかったことを証明することが必要。

③通知義務

・直ちに発見できる瑕疵⇒引き取りかつ運賃等を支払う際。

・直ちに発見できない瑕疵⇒引き取り後2週間いない。

・運送会社が貨物に滅失・毀損があることを知っていれば通知期限を過ぎても責任を追及できます。

・倉庫営業者も同じです。

これはあくまでも参考です、諸条件がケースごとに変わります、いずれにしろ安易に輸送を受けて思わず損害が発生することがあります。契約を再度見直しをし、条件を受注時によく確認をしましょう。

トラック運送業「物流塾」では、無料相談でワンポイントアドバイスをしています。   携帯:090-8572-1521  メール:kuba.takumi@rouge.plala.or.jp

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