トラック運送業「貨物運行管理者」テスト問題で、実務上の知識及び能力の練習問題を解いてみましょう。

目次

練習問題ー1:運行管理者の意義、運行管理者の役割等に関する次の記述について、それぞれの適不適を解答しなさい。

1.運行管理者には、事業者に代わって法令に定められた事業用自動車の運行の安全確保に関する業務を行い、交通事故を防止するという役割を果たすことが求められている。

答えと解説:   適   運行管理者にはそのような役割を求められています。

2.事業用自動車の点検及び整備に関する車両管理については、整備管理者の責務において行うこととされていることから、運行管理者の業務として事業用自動車の日常点検の実施について確認する必要はない。

答えと解説:   不適                               運行管理者は、乗務前の点呼について、運転者に対して事業用自動車の日常点検の実施について確認する必要があります。

3.社会的影響の大きい重大事故が発生している状況の中、事業者にとって、運行管理の徹底などによる事故防止への取組みが重要である。

答えと解説:   適   運行管理者はに対する責任も重大です。

4.事業者が、事業用自動車の定期点検を怠ったことが原因で重大事故を起こしたことにより、行政処分を受けることになった場合、当該重大事故を含む運行管理業務上に一切問題がなくても、運行管理者は事業者に代わって事業用自動車の運行管理者は事業者に代わって事業用自動車の運行管理を行っていることから、事業者が行政処分を受ける際に、運行管理者が運行管理者資格者証の返納を命じられることがある。

答えと解説:   不適                               事業用自動車の定期点検を怠ったことが重大事故の原因であれば、その責任は整備管理者にあり、運行管理業務上に一切問題がなければ、運行管理者には責任が及びません。

練習問題ー2:運行管理者の業務上の措置等に関する次の記述について、それぞれの適不適を解答しなさい。

1.運行管理者は、運転者に対し乗務前の点呼を実施したところ、当該運転者から「乗務する事業用トラックの左側のブレーキランプのレンズが割れている」との報告を受けた。運行管理者は、ブレーキランプについては自動車の日常点検にかかるものであるが、割れているランプは片側だけであるので運行に差し支えないと考え、整備管理者に確認を求めず出庫させた。

答えと解説:  不適                                ブレーキランプが割れている場合には、整備管理者に確認を求め、運行の可否を整備管理者が決定する必要があります。   

2.翌日に持ち越すことのない節度ある適度な飲酒の目安としては、純アルコール20グラム(1単位)と言われており、その1単位のアルコールを処理するための必要な時間の目安は、4時間とされているので、これらを参考に個人差を考慮して、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から酒類の飲み方等について指導を行っている。 

答えと解説:   適                                1単位のアルコールを処理するために必要な時間の目安は4時間とされています。

3.踏切の手前で一時停止した後、踏切を通過する際には、走行速度が上がるにつれて原動機の回転数が上昇するため、変速装置を操作しがちである。しかし、変速装置を操作することによるトラブルの発生を防止するため、そのまま踏み切りを通過することが大切であり、その旨を日頃より運転者に対し指導を行なう必要がある。

答えと解説:   適   踏み切りを通過する際は、変速しないで通過します。

  

4.運行管理者の所属する営業所では、休憩施設が所属する運転者に対して慢性的に不足しており、運転者には休憩を十分に与えることが困難な状況にあった。当該運行管理者は、このような状況を放置すれば過労運転につながりかねないと感じていたが、当該施設の整備については運行管理者の行う業務の範囲外であるため、事業者にこの現状を伝えず、特に、特に助言しなかった。

答えと解説:   不適                                運行管理者は、事業者に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができます。

練習問題ー3:A自動車が前方のB自動車とともに時速36キロメートルで15メートルの車間距離を保ちながらB自動車に追従して走行していたところ、突然、前方のB自動車が急ブレーキをかけたのを認め、A自動車も直ちに急ブレーキをかけ、A自動車、B自動車ともそのまま停止した。この場合におけるA自動車の空走時間を1秒間として、下記のア及びイについて、それぞれ解答しなさい。

ア:A自動車の時速36キロメートルにおける制動距離を9メートルとした場合、A自動車が危険を認知していから停止するまでに走行した距離は、何メートルか?

答えと解説:危険を認知してからの停止するまでに走行した距離(停止距離)は、空走距離+制動距離で求めることができます。  空走時間を1秒間とした場合における、時速36㎞で走行するA自動車の空走距離は、36,000ⅿ÷3600秒=10ⅿなので、A自動車が危険を認知してから停止するまでに走行した距離(停止距離)は、10ⅿ+9ⅿ=19ⅿとなります。

イ:時速36キロメートルにおけるA自動車の制動距離が9メートル、B自動車の制動距離が7メートルとした場合、停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離は、何メートルか?

答えと解説:停止時におけるA自動車ととB自動車の車間距離は、当初の車間距離15ⅿから「A自動車の空走距離」及び「A自動車とB自動車の制動距離の差」の分だけ縮まっていることになります。  アの解答よりA自動車の空走距離は10ⅿであり、A自動車とB自動車の制動距離の差は9ⅿー7ⅿ=2ⅿなので、停止時におけるA自動車ととB自動車の車間距離は、15ⅿー10ⅿー2ⅿ=3ⅿとなります。

練習問題ー4:下の荷主からの運送依頼に基づいて、A営業所の運行管理者がア~エの運行に関する計画等を立てた。この計画等に関する1~3の記述のうち、下線部の記述が適切でないものをすべて選びなさい。

荷主から運送依頼事項:A営業所から重量が5,250キログラムの工事用機材を、B地点まで運送する。

運行に関する計画

ア:当該運送には、乗車定員2名、車両総重量が11,000キログラム、最大積載量が6,000キログラムの平ボデイ‐車両を使用する。

イ:当該運送を担当する運転者として、中型自動車の運転免許を受けている者を配置する。

ウ:運行回路として、最高速度が指定されていない高速自動車国道でのC料金所~D料金所間を走行することとし、この間の運転時間を40分とする。

エ:当該運送の担当運転者に対して、乗務などの記録に貨物の積載状況を記録するよう指示する。

1) 当該運送を担当する運転者として、中型自動車の運転免許を受けている者を配置したこと。

答えと解説:   不適                               今回の運送に使用する自動車は、車両総重量が11,000㎏以上なので大型自動車に該当します。したがって、大型自動車の運転免許を受けている者を配置する必要があります。

2)C料金所からD料金所間の運転時間を40分と設定したこと。

答えと解説:   不適                               車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の貨物の事業用自動車の拘束自動車国道における最高速度は時速80㎞です。したがって、58㎞の距離を走行する場合、58㎞÷80㎞=0.725時間=43.5分で、少なくとも43.5分必要です。

3)当該運送における乗務などの記録は、貨物の積載状況を記録するよう乗務する運転者に指示したこと。

答えと解説:   適                                車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の事業用自動車に乗務した場合には、貨物の積載状況を記録しなければならない。

「実務上の知識及び能力」は、問題30問中7問出ます、「テキスト1~3」と「練習問題シリーズ1~3」で繰り返し知識を確認しましょう。

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