1.KPIは「重要業績評価指標」という意味で、企業目標等の実現を目的として、
業務プロセスに用いる指標を言います。
2.実務的には、「コスト」「生産性」「品質」といった、業務を進めるうえで用いる様々な
定量的なデーター(指標)を指します。
3.トラック運送業では、「実車率」「積載率」の指標を定期的にチェックし、
運行効率の管理に「KPI」を利用し業績アップにつなげます。
4.トラック運送業は、「多品種」「小ロット化」「サービスの向上」「ドライバー不足」「燃料高騰」などで
厳しい環境下にありますが、「KPI」導入によって自社の物流効率化を取組むための有効な手段となります。
5.更に、自社の生産性やコストダウンへの取組みがデーターで示すことができ、
荷主との交渉に使うことで、適正な運賃収受を期待できる指標になります。
【KPI】を利用するメリット
1)問題を可視化できます。
- 物流現場を実際の当事者はともかく、管理者がすべての現場を常にチェックすることは難しいです。
拠点の数が増えて、業務プロセスが複雑化するほど、実態の把握は困難になります。 - そこで、「KPI」によって主要な業務プロセスを定量的に測定する必要が生じます。
- 「KPI」を利用することによって、業務プロセスのよい点、悪い点を可視化できます。
- 目に見える問題点は改善への意欲が働きます。問題点の可視化は改善を進めるうえで重要なポイントです。
2)会話が促進されます。
- 物流はモノの移動を伴う、面的な広がりを有した業務です。
- 単純に見える業務であっても、複数の拠点、社員、パートなど立場の異なる担当者が関与することがあります。
- 委託先、発荷主、着荷主、倉庫、運送会社など他社とのやり取りも多く発生します。
- 業務改善を進めるには、このような多種な関係者と現状認識を共有する必要があります。
- その時に、「KPI」の客観的なデーターが生きてきます。この共通のデーターの共有が合理的、
効率的な改善を進めることができるようになります。 - 同じ視線に立つことができるので、お互いの「会話」促進ができます。
3)合理的で公平な評価に繋がります。
- 改善を進めるポイントは、「改善に関わった現場の人」が評価される仕組みを作ることです。
- 実際に改善を進めるのは、現場で汗をかいた担当者、作業者がきちんと評価され、報いらなければ、改善はうまく行かないことは明確です。
- 経営者が全ての現場に目を配ることができません。その際定量的な「KPI」データーが改善結果を示してくれます。
- 荷主から物流会社に対する評価も同じで、コストや運賃だけだはなく、物流会社の業務プロセスや改善能力、
安全、品質などの面でも評価が必要です。 - 合理的、公平な評価のためには、定量的な「KPI」の活用が必要であり、適正な評価システムの構築は改善推進の
大きな一歩になります。
4)「KPI」導入のステップは
- 「KPI」を導入するには、まずは負荷の少ない範囲で可視化に取り組むことから初めて、段階的に活用をすすめることが必要です。
- 測定された「KPI」を活用し、改善手法を使いながら、自社の課題を一歩ずつ効率化に進める必要があります。
- 次に、自社の改善と荷主会社との課題を解決することが、次のステップです。「納品先に待機時間」
「過剰なサービス」「細かすぎる時間指定」などを共同で解決する必要があります。
物流の仕事はどうしても相手のある話ですので、よく先方と話をしてお互いの改善出来る事を探しだして「トライ」し、ダメなら違う方法を「トライ」する繰り返しが大事です。これからの時代は「物流会社」と「荷主」共同で物流全体の改善、効率化を図り「コスト」削減が必要です。
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