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運行管理者テスト問題30問中7問出題されます。
このページでは(練習問題ー1)、「運転者の感覚」「自動車に働く自然力」「天候・状況に応じた運転」「自動車の走行時に生じる諸現象」「緊急時の措置」「交通公害」「交通事故の防止対策」「運転者の健康管理」からの練習問題を解決しましょう。
問題ー1:自動車の運転に関する次の記述について、それぞれの「適」「不適」を解答しましょう。
1.自動車のハンドルを切り旋回した場合、左右及び前後輪はおのおの別の軌跡を通る。ハンドルを左に切った場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。ホイールベースの長い大型車ほどこの内輪差が大きくなる。したがって、このような大型車を運転する運転者に対し、交差点で左折時には、内輪差による歩行者や自転車との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。
答えと解説: 適 内輪差の説明として適切です。
2.前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、運転席が高い位置にある大型車の場合は車間距離には余裕がないように感じ、乗用車の場合は車間距離に余裕があるように感じやすくなる。したがって、運転者に対して、運転する自動車による車間距離の見え方の違いに注意して、適正な車間距離を取るように指導する必要がある。
答えと解説: 不適 問題と反対で、大型車からは余裕があるように、乗用車からは余裕がないように感じます。
3.自動車は、運転者が直接見ることができない箇所に対して後写鏡やアンダーミラーなどを備えるなどして構造上の死角が少なくなるように設計されているが、なお、死角は存在する。その他にも「前走車、対向車など他の交通による死角」「道路構造。建物、樹木等道路環境による死角」「夜間走行時の死角」等があるので、運転者に対して、これらの死角の特性に十分注意して運転するように指導する必要がある。
答えと解説: 適 死角の説明として適切です。
4.暗いところから急に明るいところへ出ると、まぶしくて見えにくくなり、目が慣れてくると通常どおり見えるようになるのに時間がかかる。反対に、明るいところから急に暗いところへ入ったときは暗くて見えにくくなり、やがて目が慣れて少しづつ見えるようになる。
答えと解説: 適 このような視力の回復機能を順応といいます。
問題ー2:自動車の走行時に働く力及び運転中の人間の視覚と視野などに関する次の記述のうち、適切でないものをすべて選びなさい。
1.自動車がカーブを走行する時の遠心力の大きさは、自動車の重量及び速度が同一の場合には、カーブの半径が2分の1になると4倍の大きさになることから、急カーブを走行する場合の運転の横転などの危険性について運転者に対し指導する必要がある。
答えと解説: 不適 自動車の重量及び速度が同一の場合には、曲がろうとするカーブの半径が2分の1になると遠心力の大きさは2倍になります。
2.自動車の速度が速くなるほど、運転者の視野は狭くなり、遠くを注視するようになるために、近くは見えにくくなる。したがって、速度を出しすぎると、近くから飛び出してくる歩行者や自転車などを見落としやすくなることから、速度の出し過ぎに注意する運転者に対し、指導する必要がある。
答えと解説: 適 自動車の速度が速くなるほど、「遠く」を注視するようになるために「近く」は見えにくくなります。
3.自動車が追い越しをするときは、前の自動車の走行速度に応じた追い越し距離、追い越し時間が必要となるため、前の自動車と追い越しをする自動車の速度差が大きい場合には追い越しに長い時間と距離が必要になることから、無理な追い越しをしないよう運転者に対し指導する必要がある。
答えと解説: 不適 前の自動車と追い越しする自動車の速度差が小さい場合には追い越しに長い時間と距離が必要となります。
4.自動車の夜間の走行時においては、自車のライトと対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者や自転車が見えなくことがあり、これは蒸発現象という。蒸発現象は暗い道路で特に起こりやすいので、夜間の走行の際には十分注意するよう運転者に対し指導する必要がある。
答えと解説: 適 蒸発現象の説明として適切です。
問題―3:自動車の走行時に働く力に関する次の記述について、それぞれの適不適を解答しなさい。
1.自動車に働く慣性力は、自動車の重量に比例して大きくなることから、その重量が増加すればするほど制動距離が長くなることを考慮した適正な車間距離の確保について運転者に対し指導している。
答えと解説: 適 慣性力の説明として適切です。
2.重量が同一の自動車2台が、双方時速50キロメートルで正面衝突した場合の衝撃力は、時速100キロメートルで走行中の自動車が壁に衝突した場合と同じで、自分の速度だけでなく相手の自動車の速度を加えた速度で衝撃力が発生することから、常に安全な速度で運転するよう運転者に対し指導している。
答えと解説: 適 正面衝突した場合は、自分の速度だけでなく相手の自動車の速度を加えた速度(相対速度)で衝撃力が生じます。
3.運転者が走行中に危険を認知してからブレーキをかけ、自動車が完全に停止するまでにはある程度の時間と距離が必要となる。危険を認知して判断し、ブレーキ操作を行いブレーキが効き始めるまでの間に走り続けた距離を「空走距離」という。したがって、危険認知から止まるまでには、空走距離と制動距離を合わせた距離が必要となる。
答えと解説: 適 空走距離と制動距離を合わせた距離を「停止距離」といいます。
4.自動車に働く慣性力、遠心力及び衝撃力は、速度に比例して大きくなることから、速度が2倍になれば4倍に、速度が3倍になれと6倍となり、制動距離、運転操作及び事故時の被害の程度に大きく影響するため、常に制限速度を守り、適切な車間距離を確保し、運転するように指導している。
答えと解説: 不適 自動車に働く慣性力、遠心力及び衝撃力は、速度の2乗に比例して大きくなることから、速度が3倍になると9倍になります。
問題―4:自動車の走行時生じる諸現象とその主な対策に関する記述のついて、それぞれの正誤を解答しなさい。
1.スタンデイング・ウエーブ現象とは、タイヤの空気圧不足で高速走行したとき、タイヤに波打ち現象が生じ、セパレーション(剥離)やコード切れ等が発生することをいう。これを防ぐため、タイヤが適性な空気圧であることを、日常点検で確認するよう運転者に指導する必要がある。
答えと解説 正 適切な説明。
2.ペーパー・ロック現象とは、フットブレイキを使いすぎると、ブレーキドラムやライニングが摩擦のため過熱することにより、ドラムとライニングの間の摩擦力が減り、ブレーキの効きが悪くなることをいう。これを防ぐため、長い下り坂などでは、エンジンブレーキ等を使用し、フットブレーキのみの使用を避けるよう運転者に対し指導する必要がある。
答えと解説 誤り これはフエード現象の説明です。ペーパロック現象とは、長い下り坂などでフットブレーキなどを使いすぎるとブレーキドラムやブレーキライニングなどが摩擦のため過熱してその熱がブレーキ液に伝わり、液内に気泡が発生し、ブレーキが正常に作用しなくなることです。
3.ハイドロプレーニング現象とは、路面が水でおおわれているときに高速で走行すると、タイヤの排水作用が悪くなり、水上を滑走する状態になって、操縦不能になることをいう。これを防ぐため、スピードを加えた走行や、タイヤが適正な空気圧であることを、日常点検で確認するよう運転者に対し指導する必要がある。
答えと解説 正 適切な説明。
4.ウエットスキッド現象とは、雨の降り始めに、路面の油や土砂などの微粒子が雨と混じって滑りやすい膜を形成するため、タイヤと路面との摩擦係数が低下し急ブレーキをかけたときになどにスリップすることをいう。
答えと解説 正 適切な説明。
問題ー5:交通事故対策に関する次の記述について、それぞれの適不適を解答しなさい。
1.いわゆるヒヤリハットとは、運転者が運転中に他の自動車と衝突又は接触するおそれがあったと認識した状態をいい、1件の重大な事故が発生する背景には多くのヒヤリハットがあるとされており、このヒヤリハットを調査し減少させていくことは、交通事故防止対策に有効な手段となっている。
答えと解説: 適 ヒヤリハットの説明として適切。
2.指差呼称は、運転者の錯覚、誤判断、誤作動、誤操作等を防止するためにの手段であり、道路の信号や標識などを指で差し、その対象が持つ名称や状態を声に出して確認すること。
答えと解説: 適 指差呼称の説明として適切。
3.交通事故の防止対策を効率的かつ効果的に講じていくためには、事故情報を多角的に分析し、①計画の策定②対策の実施③効果の評価④対策の見直し及び改善という一連の交通安全対策のサイクルを繰り返すことが必要である。
答えと解説: 適 交通事故対策として適切。
4.適正診断は、運転者の運転能力、運転態度、性格を客観的に把握し、運転の適性を判断することにより、運転者に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものである。
答えと解説: 不適 運転者自身の安全委意識を向上させるものであり、運転医に適さない者を選任しないようにするものではありません。
この項目は、運転者の感覚、自動車に働く自然力、天候に応じた運転、自動車の走行時に生じる現象、緊急時の措置、交通事故等についての過去問題を学びました。次回は点呼、アルコール検知などを学びましょう。(テキストー2、練習問題ー2)
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