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実務上の能力及び能力について、全体30問中7問出題されています。
1.受委託点呼(共同点呼)の対象業務⇒受託委託点呼とは、一定の条件のもと、点呼業務の一部を他の営業所に委託することをいいます。
2.受委託の対象業務⇒①乗務前点呼 ②乗務後点呼 ③アルコール検知器の備え付け、常時有効保持および活用
3.委託の要件⇒受委託点呼に係る契約を締結し、国土交通大臣の許可を受ける、契約および許可は営業所単位とし、1つの営業所が複数の営業所に委託することはできません。
1)受託営業所:Gマークの営業所
2)委託営業所:Gマークの営業所または3年間及び許可の申請日以降に重大な事故を起こしておらず、かつ、点呼の実施違反に係る行政処分を受けていない営業所。
4.受委託点呼の実施時間・実施場所⇒実施時間は、1営業日のうち連続する16時間以内、実施場所は受託点呼と委任営業所の車庫との距離は5㎞以内であること。
練習問題(○×問題)
1)受委託点呼における委託営業所は、必ずGマーク営業所でなければならない。
答えと解説: × 委託営業所は、Gマーク営業所または過去3年間および許可の申請日以降に、重大な事故を起こしておらず、かつ、点呼の実施違反に係る行政処分を受けていない営業所である必要があります。
2)受委託点呼は、受託営業所または受託営業所の車庫で実施しなければならず、受委託点呼の実施場所と委託営業所の車庫との距離は5㎞以内である必要があります。
答えと解説: ○ 受委託点呼の実施場所と委託営業所の車庫との距離制限です。
1.運行管理者の業務上の措置
1)事業者への助言⇒運行管理者は、事業者に対して、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができます。
2)運行管理者と事業者との関係
①運行管理者と事業者との関係⇒(例)過積載による運送の指示を行ったことに対し、事業者がその過積載の指示を承知していなかったとしても、運行管理者に対する指導・監督を怠っているので、事業者自身も責任を問われます。
②運行管理者と整備管理者との関係⇒(例)事業用自動車の定期検査を怠ったことが原因で重大事故を起こし、事業者が行政処分を受けることとなった場合、運行管理業務上に一切問題がばなければ、運行管理者が処分を受けることはないと考えられます。この場合、整備管理者の責任が問われることになります。
3)運行管理者等の兼務⇒法令の趣旨からして、運行管理者は他の営業所の運行管理者または補助者を兼務することはできません。補助者については、A営業所の補助者とB営業所の補助者の兼務はOKです。
練習問題(○×問題)
1.過積載による運送を指示したことにより、運行管理者に対し運行管理者資格者証の返済命令が出されたが、この指示について事業者は承知していなかったので、事業者として責任を問われることはない。
答えと解説: × 運行管理者に対する指導・監督を怠ったといえ、事業者としての責任を問われることになります。
2.事業者が、事業用自動車の定期検査を怠ったことが原因で重大事故を起こしたことにより、行政処分を受けることになった場合、当該重大事故を含む運行管理者上に一切問題がなくても、事業者が行政処分を受ける際に、運行管理者が運行管理者資格者証の返納を命じられることがある。
答えと解説: × 事業用自動車の定期検査を怠ったことが重大事故の原因であれば、その責任は整備管理者にあり、運行管理業務上で一切問題がなければ運行管理者には責任が及ばないと考えられます。
1.計算問題のポイント
1)距離・時間・速さの計算
①走行距離=平均速度×走行時間
練習問題:トラックがA営業所を出発してB配送先に向けて走行中、当初、平均時速50㎞であったが、30分後に道路渋滞のため、平均時速40㎞となり、A営業所を出発したから2時間30分後にB配送先に到着した。A営業所からB配送先までの距離を求めなさい。
答えと解説:最初の30分は時速50㎞で走行しているので、走行距離は50㎞/h×0.5時間=25㎞、つまり、最初の30分で25㎞走行しています。次に時速40㎞で2時間(2時間30分ー30分)走行しているので、40㎞/h×2時間=80㎞、つまり、後半の2時間で80㎞走行しています、したがって、A営業所からB配送先までの距離は25㎞+80㎞=105㎞となります。
走行距離=平均速度×走行時間は覚えてください。
2)運転時間の計算
①運転時間=走行距離÷平均速度
練習問題:時速50㎞で走行するトラックが120㎞を走行する所要時間を求めなさい。
答えを解説:時速50㎞で120㎞走行するので、運転時間は120㎞÷50㎞/h=2.4時間、0.4時間=24分(0.4時間×60分)なので、運転時間は2時間24分となります。
運転時間=走行距離÷平均速度も覚えてください。
3)平均速度の計算
①平均速度=走行距離÷運転時間
練習問題:A営業所から出発したトラックが、60㎞離れたB配送先まで行き、同じ経路でA営業所まで戻ってきた。往復に要した時間は2時間30分である。平均速度を求めなさい。
答えと解説:A営業所からB配送先までの距離を60㎞なので、往復で120㎞になります。そして、120㎞を2時間30分(2.5時間)かけて走行したので、平均速度は120㎞÷2.5時間=48㎞/h,したがって、平均速度は時速48㎞となります。
はじきの法則:「は」は速さ(速度)、「じ」は時間、「き」は距離で、つまり 距離=速さ×時間(は×じ)、 速さ=距離÷時間(き÷じ)、 時間=距離÷速さ(き÷は)
4)秒速(1秒間に走行する距離)の計算
①1秒間に走行する距離(ⅿ)=1時間に走行する距離(ⅿ)÷3600(秒)
練習問題:時速54㎞で走行しているトラックの1秒間の走行距離を求めよ。
答えと解説:54㎞=54,000ⅿ、1時間=60分=3600秒なので、このトラックは、3600秒(1時間)で54000ⅿ(54㎞)走行することになります。したがって、このトラックが1秒間に走行する距離は、54000ⅿ÷3600秒=15ⅿとなります。
5)燃料消費率の計算(燃料1ℓ当たりの走行距離)
①燃料消費率=走行距離÷消費燃料
練習問題:トラックが、A営業所とB配送先の96㎞を往復したところ、往復で30ℓの燃料を消費した、この場合の往復の燃料消費率を求めよ。
答えと解説:A営業所からB配送先までの距離は96㎞なので、往復で192㎞になります。そして、192㎞を走行するために30ℓの燃料を消費したので、往復の燃料消費率は192㎞÷30ℓ=6.4㎞/ℓとなります。
6)車間距離の計算
練習問題:A自動車が前方のB自動車とともに時速90㎞で70ⅿの車間距離を保ちながらB自動車に追従して走行していたところ、突然、前方のB自動車が急ブレーキをかけたのを認め、A自動車も直ちに急ブレーキをかけ、A自動車、B自動車ともそのまま停止した。
前提と問題ー①:この場合、A自動車の空走時間を1秒間として、停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離は何ⅿか?
前提と問題ー②:A自動車とがB自動車の急ブレーキに気づくのがさらに1秒遅れた場合に、A自動車がB自動車との車間距離を3ⅿ残して停止するために必要な車間距離は何メートルか?
前提と問題ー③:なお、この2台の自動車の時速90㎞における制動距離は45ⅿとし、空走時間が1秒の場合の停止距離は70ⅿとする
答え:停止時のおけるA自動車とB自動車の車間距離は「A自動車との空走距離」の分だけ縮まっていることになります。 空走距離は「停止距離-制動距離」で求めることができるので、A自動車の空走距離は、停止距離70ⅿー制動距離45ⅿで25ⅿとなり、停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離は、70ⅿー25ⅿ=45ⅿとなります。
問題:A自動車がB自動車の急ブレーキに気づくのがさらに1秒遅れた場合に、A自動車がB自動車との車間距離を3ⅿ残して停止するための車間距離。
答え:A自動車とがB自動車の急ブレーキに気づくのがさらに1秒遅れたので、A自動車の空走距離がさらに25ⅿ長くなり、A自動車の空走距離=25ⅿ×2=50ⅿとなります。つまり、B自動車が停止した後、A自動車は2秒間分の空走距離である50ⅿ進んでから停止することになります。
答え:したがって、A自動車がB自動車のの車間距離を3ⅿ残して停止するための車間距離はA自動車の2秒間分の空走距離50ⅿ+停止時の車間距離3ⅿで53ⅿとなります。
まず、問題全体を絵にして理解してください。それぞれの数式は覚えてください。 「数式1:走行距離=平均速度×走行時間」 「数式2:運転時間=走行距離÷平均速度」 「数式3:平均速度÷運転時間」 「は・じ・きの法則」 (は=速さ、じ=時間、き=距離) 「数式4:1秒間に走行する距離(ⅿ)=1時間に走行する距離(ⅿ)÷3600秒」 「数式5:燃料消費率=走行距離÷消費燃料」
計算問題はかなり減っていますがたとえ出題されても1問だけと考えられますが、数式さえ覚えていれば答えられます。
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