トラック運送業の人事制度を考えるうえで、どうしてもドライバーは走って幾らだとの考え方が定着しています。
ドライバーにも、自社独自の「人事制度」「給与制度」を構築して、社員の定着率を高める時代がきているのではないですか?
もっと言えば、ドライバーが「自分の将来設計」が描けることが、これからのトラック運送業が生き残れることにつながると思います。
勿論、それには社員の適性がありますので、全員に適合できるかは、それぞれの会社での特徴を活かすことも大切です。
これからのトラック運送業は、規制緩和以降倍増していますが、先々はトラック運送会社の淘汰が考えられます。
その時代を先取りして、自社の「人事制度」を検討する参考にしてください。
ここでは、一般論になりますが、それぞれの会社にあった、自社社員を巻き込んで「新人事制度」構築が必要です。
【人事制度】
1.人事制度とは、広義には労務管理を含めた社員の「処遇」に関する仕組み全般を指します。
2.社員の処遇を決定する仕組みには、「等級制度」「評価制度」「給与制度」に絞り込んで人事制度を言われることが多いです。
3.「等級制度」とは、能力レベルや職務内容などを基準とした「等級(資格、職階)」を定め、社員の社内での位置付けを決める仕組みです。
4.「評価制度」とは、社員の職務上の成果や能力を発揮する仕組みです、評価結果に基づき、等級の昇進、降格や報酬の金額が決まります。
5.「給与制度」とは、等級や評価の結果に基づき、社員の給与、賞与、退職金などの報酬を決める仕組みです。
6.人事制度には、自社の経営理念を反映させる「経営理念」を社内に浸透させる意識を持って、運用することが大事です。
7.公平な処遇を行うことにより、社員の行動意欲を向上させ、「どのような仕組み」「どのような評価をし」「どうやって報酬をきめた」かなどを明確にしオープンな運用が大切です。
等級制度
- 社員全員の等級を決めます。
- 「等級」とは、社内の序列で、等級によって処遇が決定。
- 等級の仕組みは、人事制度の「対象」を何にするかによって決定。
- 年齢や経験といった「年功」にすれば、年功の序列になります。
- 職務の遂行に期待される「能力」を評価すれば、能力の序列になります。
- 業績を重視した「成果」を評価にすれば、成果の序列になります。
- 通常、これらの「序列」は「1等級」「2等級」「3等級」といった形で示されることが多く、その際、「等級基準書」「等級要件書」などに定められた等級ごとの基準、要件を満たしたうえで、序列のステップアップが決まります。

簡単ではありませんが、順番にそれぞれの基準作りを初めてください。
評価制度
- 評価に仕組みで重要な点は、「評価対象」です、何を評価の基準にするか?
- 「年功」「能力」「職務」「役割」によって、人事制度の方針が決まります。
- 評価制度は、「評価の対象決定」⇒「評価項目の設定」⇒「評価基準の決定」⇒「評価の実施」⇒「評価の決定」⇒「評価決定の説明」
- 評価制度に納得性、説得性が十分あれば、人事制度に対する評価が得られるますが、人が評価する以上、どうしても「印象」「主観」「感情」が入り込むことになります。
- 「印象」「主観」を防ぐ仕組みとして、評価制度はシンプルで分かりやすく、公正であること、基準がオープンになっていることが重要です。
- 「評価者」の評価基準の理解と評価者への教育が必要です。
- 評価を受ける部下に評価結果が説明できること。



評価を公正にするには、評価者同士の研修、教育が大事でこれを怠ると人事制度そのものが瓦解します。
8.「人事評価制度の運用」
ステップとして、一気に人事評価制度を導入するには、段階を踏んでステップバイステップで制度を構築する必要があります。
①「等級、役職の決定」:各部から評価した、昇進申請に基づき、決定する。
②人事評価の実施、評価する時期を決めて、評価者(上司)が部下の評価を実施する。
③「目標管理」:業務目標を決定し、達成度評価を行う。
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