過去、物流会社43年、その後物流コンサル10年の経験があり、特に多くのトラック運送業に関わってきた豊富な経験があります。その経験に基づいての課題と解決策を提案します。
でよくある問題から、これからのトラック運送業が課題を解決する手段を選択し次へステップへ進めることを提案します。
中小企業から中堅企業へと脱皮する指針となります。
「負」の部分が多いですが、そこから「正」の段階へと進む方向を提案します。
現状のトラック運送業は、2024年問題もあり、取り巻く厳しい環境がありますが、日本経済を根幹から支えている状況は変わりません。
規制緩和以降は、トラック運送業社は倍増し、「安売り」「過当競争」「倒産」「少子高齢化」「3K」などで、環境の悪化は現在がピークです。これからは淘汰され競争に勝てる運送会社が残ります。
その為に、今から成長する自社のイメージを固めて一歩一歩前進しましょう。
テーマは、「企業理念」「採用から面接」「社員教育」「安全運行」「品質トラブル」「人事制度」「給与制度」などです。
1)トラック運送業の社員が育っていない「あるある」
社員が育っていない
多くのトラック運送業では、社員が育っていない問題があります、ドライバーとしては有能ではあるが、人を教える立場や長としての立場が理解できていない管理者が多いです。何故でしょうか?
多くの社員がドライバー上がりで、年数で係長、課長に昇進していることで、「長」としての「長の責任」「長の仕事」「長の役割」を十分学ぶことがなく、日々の仕事をしています。
創業当時は社長が一人で会社をスタートさせ、後にある程度の台数を持てるようになり、その当時の社員が年齢を重ね役職についています。
その間、日々の仕事をこなすことで会社全体が手一杯であったので、最初から「社員教育」を考える時間もなく、方法も分からないまま時間が過ぎ去りました。
トラック運送業の「ミドリNO]の事業免許で決められている、初任者、高齢者、事故惹起者などの研修は行っているが、その内容も形ばかりの研修であり、実際に教える側の人材を育てていないので、仕方がない面もあります。またそれらの研修もせずに「研修したことの書類作成」で終わっているトラック運送業も多くあります。
多くの管理者は、「書く」「聴く」「しゃべる」「内容をまとめる」「書類を作る」等ができません、会議などでも口頭で説明をします、これでは何年経過しても進歩はありません。「手が足りない」「忙しい」などの理由がありますが、しんどくても書類を作ることは管理者の基本です、また、経営者も彼らには「無理」と思っているふしがあります。
これに関する提案は、「今いる社員の段階的教育」を実施する、簡単ではありませんが時間と手間をかけて今からスタートさせましょう。社員の構成には「2:6:2」の原則があります、まず「2:6」の社員から教育制度を構築してスターとしましょう。
「階層別社員教育」には、「管理者教育」「安全運行教育」「品質トラブル教育」などを、入社時、2から3年後のフォロー教育」「長になるための教育」などを段階別、年齢別の階層を重ねることで、よりよい会社を目指せます。
また、「長」がこの教育(人を教える)を担当することで、「長」自身のレベルがあがります。
教育はすぐ効果が見えてはきません、その為に経営者はすぐあきらめて効果がないと判断します。気長にステップバイステップです。
2)採用方法で問題「あるある」
採用方法に問題あり
人出不足で、採用に力をいれていますが、「求人誌」「ハローワーク」への求人はしているが、その求人方法を変えてみましょう。
採用の力の入れかたに問題がありせんか、例えば「どうせ辞めるから」と誰でもとOKと採用をし、辞めればいいでは進歩がありません。
採用後も、きちんと指導しなくて「明日からトラックに乗って」では、その会社が嫌になります、採用後での教育の内容、方法でその会社のレベルがわかります。
面接でも、複数の役職者で面接をし、「聞く内容」「今ままでの仕事」「これからこの会社に期待する内容」などを書面で整理しその内容に沿って面接時に聞くことで、会社に対する希望が変わります。
採用後、すぐに辞める場合には、「なぜ辞める」「本当の理由」を聞き出さないで、辞めるその理由を聞くことでその会社の弱点が見えてきます、その弱点を知らなければ会社の進歩はありません。長く勤務した人が辞める場合も同じです、意見の大多数は「給与がすくない」「仕事が合わない」などですが隠れた辞める理由を聞き出すようにしてください。
それには、「質問力」のスキルが必要ですが、それも訓練ですから、回数を重ねて「聴く」ポイントを考えて「どう質問」するかを管理者で検討し書類でノウハウを共有化しましょう。
横乗り指導でも、空いている人に横乗りをさせて、「会社の愚痴」「仕事に関係のない話」に終始し、結局何ら指導にもならないケースが多く見られます、指導者を育成して指導専門化を作ることも大事です。
もう一つ大事な点があります、配車マンからの指示の最初の段階で初心者、経験者でもその仕事内容を十分伝えず、「取りあえず走って」「工場の入口で聞いて」「どの道を走るかスマホで調べて」などが見られます、このことは必ず事故に繋がります。リスクアセスメントで事前に検討することを願います。リスクアセスメントを知らない管理者、配車マンがいることも問題です、教育をしましょう。
事故が起きると、「なんで」「何を考えていたのか」など、「人に関わる」ことに注意をする傾向にありますが、その起きた事故には、すでに事前におきるべくして起きているのです。起きてからの「なぜ」「なぜ」「なぜ」はあまり意味がありません。ソフト面(人)だけでなくハード面から事故が起きた原因を探ってください。
第1回目はここまです。次回をお楽しみに
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