物流会社、トラック運送業の契約実務上の問題について考える。

目次

瑕疵担保と債務不履行の内容

1)当事者間で特約がある場合は、当事者間の特約が優先。

2)解除は原則、瑕疵のために契約の目的を達し得ない時のみ可能。

3)「債務不履行」(不完全履行) 契約と異なる物の納入。  ①契約解除権 ②完全履行請求権 ③損害賠償請求権  ⇒瑕疵のないものが給付されたら得たであろう利益まで請求できる。

不可抗力免責

1)債務不履行責任は、過失責任。

2)不可抗力(取引上または社会通念上普通に要求される一切の注意や予防方法を講じても損害を防止できないこと)による不履行の場合、債務不履行責任を負わない。

3)何が不可抗力かは不明確⇒不可抗力に当たるか争いとなりやすいので、基本契約で不可抗力の範囲を広く規定すると受注者に有利になる。

4)契約書に、「期日に納入できない場合、受注者は注文者に生じた一切の損害を賠償しなければならない」との記載があると、不可抗力免責が受けられなくなる危険がある。

瑕疵責任追及の権利行使の要件

1)売買契約の場合(①と② 両方を満たさなければならない) 

 ①直ちに発見できる瑕疵⇒引き渡し遅滞なく。

 ②直ちに発見できない瑕疵⇒引き渡し後6カ月以内に瑕疵があったことを通知しなければならない。

2)瑕疵を知った時から1年以内に責任追及権を行使しなければならない。

3)請負契約の場合

  ①原則、物の引き渡しから1年以内。

  ②土地の工作物は、引き渡しから5年以内。

上記期間内に行使した瑕疵担保請求権は5年で時効消滅する。(但し、当事者間で特約がある場合には、当事者間の特約が優先)

損害賠償の範囲

1)通常損害:債務不履行があれば「一般に生じる」損害。

2)予見可能な特別損害。「受注者が予見し、または当然予見できた(特別に事情)による損害。

当事者間で特約がある場合は、当事者間の「特約が優先」基本契約が重要。

運送人、倉庫営業社の責任

1)A社は、B社にD社へ納入する機械(販売価格100万円)の運送を5万円で発注。

2)B社は、C社へ運送を下請けしたが、C社の運送途中、交通事故で、機械が壊れてしまった。警察は、事故の原因としてC社運転者にも1割の過失があるとしている。

3)B社のA社に対する賠償額。 B社からA社に事故の連絡がされているので瑕疵の通知はされている。また、納入から1年以内である。さらに、C社運転手に過失があるので、B社は注意を怠っている。⇒B社はA社に損害賠償義務を負う。

4)B社のC社に対する求償額。 C社からB社に事故の連絡がされているので瑕疵の通知はされている。また、納入から1年以内である。さらに、C社運転手に過失があるので、C社は注意を怠っているが、過失割合が10%なので、悪意重過失はない。⇒C社はB社に損害賠償義務を負う。

元請け契約と下請契約を同じにしておくことが重要。

運送人の法定責責任

1)大量の運送を扱う運送人を保護する目的から、運送貨物の滅失、毀損は、商法で賠償の範囲が、貨物の価額に限定されている。

2)運送品の全部滅失の場合。⇒引き渡し予定日の到達地の価格。

3)運送品の一部滅失または毀損の場合。⇒引き渡しのあった日の到着地の価格をもとに毀損割合により算出した額。

4)運送品の延着(延着は商法で賠償の範囲は限定されていない)。通常生ずべき損害及び債務者が予見しうる特別の事情により生じた損害(通常の債務不履行責任)

運送人、倉庫営者に責任を追及する要件

1)運送人に対する滅失、毀損責任を追及するためには、一定期間内に貨物の滅失、毀損があることを通知し、引き取りから1年以内に損害補填の請求をしなければならない。

2)運送人が、注意を怠らなかったことを証明できることが必要です。

3)【通知義務】①直ちに発見できる瑕疵⇒引き取りかつ運賃などを支払う際。  ②直ちに発見できない瑕疵⇒引き取り後2週間以内。

運送人が貨物に滅失、毀損があることを知っていれば通知、期限を過ぎても責任を追及できます。

倉庫営業者に対する滅失、毀損責任の追及も同様。

消滅時効とは?

1)一定期間権利を行使しないと権利が消滅してしまう制度。

2)例えば、消滅時効が1年の場合、売掛債権は、支払い期日から1年間支払われなければ時効が成立し、相手が時効を主張すると支払を請求できなくなります。(有効期間経過後でも相手が支払えば、有効な支払いで返還不要

消滅時効を防ぐためには、時効成立前に、①相手に債務の存在を承認してもらう(時効期間経過後でも可) ②裁判上の請求(訴訟、和解請求、調停申し立て等)  ③差し押さえ、仮差し押さえ又は仮処分を行うことが必要。

上記措置終了後、再度時効期間が進行する。

 契約は難しく複雑です、内容はその都度細かく精査し、不備のないようにしたいものです。失敗事例を必ず書類で残し、どこにも問題があったのか、どう対策をしたのかも含め、2回目の失敗をしないようにしましょう。

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