トラック運送業に必要な人事業績評価制度を導入して、社員のやる気スイッチを入れましょう。
人事業績制度導入する理由
1.多くのトラック運送会社では、勤続が何年経過をしても時給単価が変わらないケースが見られます。
2.処遇の時給差異は、時給単価であったり、行先別単価、キロ別単価など様々ですが、長く勤続しても1年のドライバーと10年のドライバーが同じ時給単価では、会社内に不満が溜まります。
3.その時給差を役職、主任、副班長、班長などでつけるケースもあります。それぞれの会社の昔からのやり方で決められていますが、何年も見直しがされず放置している場合が多いと思います。
4.2024年働き方改革で、残業時間の規制がある中、旧い給与制度の見直しをする。社員の仕事に対するある程度の尺度が必要です。
5.社員間に不満をなくすためにも、人事業績評価制度を導入することが重要です。
6.また、「長」を決めるのも、経営者のさじ加減で決めることは時代遅れの方法と言わざるをえません。
どのような人事業績制度がいいのでしょうか
1.人事業績評価制度は、仕事内容が異なるので内容は「事務系(配車)」と「技術系(ドライバー)」で一部分けます。
2.それぞれに「人事業績評価表(シート)」を作り、基本は個人が目標を立て、それぞれの達成度で点数評価判断をします。
3.ドライバーの目標は例えば「安全運行」「品質事故トラブル」が主となって、自分で目標を立てます。
4.ドライバーは書くことが「イヤ」でドライバーになっている人が多いのに、それは「ムリでは」となるでしょうが、大きな目標でなくても、各自ができる範囲で記載すれば足ります。
5.「定量的目標=数値で示される」「定性的目標=数値で表しにくい」それぞれの目標を設定します。
6.多くの経営者は、ドライバーには無理だと決めつける傾向にあります。経営者は社員を信じていません。
7.もう1点大事なポイントは、上司と「面談」をして、その目標を設定することです。
8.これは上司にとっても部下の面倒を見て育てることになり、上司と部下のシナジー効果が期待できます。
9.最も悪い例は、経営者がよく分からないドライバーの人事査定をして、昇進、賞与などを恣意的に決めて判断することです。このことで更に社員間の不満が溜まります。
人事業績評価制度導入の方法とメリット
【ドライバー中心に記載】
1.人事業制度導入時期を決める、〇月から〇月までを評価判断の時期を決めます。
2.評価制度はあくまでもその範囲の時期に限る事です、何年も前に合ったことを査定に含めません。
3.人事表制度目標を、〇月に上司と部下が一緒になって「定量的」「定性的」内容を決めそれぞれが記入します。
4.その目標は会社の中で共有化し、だれがどんな目標を立てたのか明確にします。
5.重要な点は、「上司」と「部下」の面談にあります。多くの上司にとって人を評価することの機会が少ないので、「いい勉強」になります。
6.面談により、日ごろの会話と違って「真剣な会話」となり社員間の絆が深まります。
7.この絆には、相当な時間が掛かりますが、社員教育の一つになり、社員のレベルが上がることは間違いありません。
8.上司には、「聴く力」が必要ですが、多くの運送会社の社員が一番不得意なところです。
人事業績評価制度導入は簡単ではないですが、会社が大きく成長するのは、足元の基礎を固めないと、足元がぬかるんでいては真っすぐに歩けないのでは進歩は求められません。順番は様々あるでしょうが、今はまだそんな時期ではないと言われる経営者の皆様、「いつするのですか」「いまでしょう」、過去、多くの運送会社を見てきましたが、基礎を早くから固めて急なジャンプに備えられる必要があると感じています。
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