1)事業者が乗務員に対して行う一般的な指導及び監督の指針(国土交通省告示)
2)貨物自動車運送事業は、貨物自動車運送事業輸送安全規則10条第1項に規定に基づき、貨物自動車運送事業の用に供する事業用自動車(トラック)の運転者に対する指導及び監督をし、実施した日時、場所及び内容並びに指導監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存するものとする。
「目的」トラックの運転者は、大型の自動車を運転したり、多様な地理的、気象状況の下で運転したりすることから、道路の状況その他の運行の状況に関する判断及びその状況における運転につて、高度な能力が要求される。このため、貨物自動車運送事業はトラックの運転者に対して、継続的かつ計画的に指導及び監督を行い他の運転者の模範となるべき運転者を育成する必要がある。そこで、貨物自動車運送事業者がトラック運転者に対して行う一般的な指導及び監督は、貨物自動車運送事業法その他の法律に基づき、運転者が遵守すべき事項に関する知識のほか、トラックの運行の安全を確保するために必要に関する技能及び知識を習得させることを目的にする。
指導及び監督の内容
項 目 | 内 容 |
①トラックを運転する場合の心構え | 1.トラック輸送の社会的重要性 2.トラック事故の社会的影響 3.交通事故統計を用いた教育 4.安全運行の心構え |
②トラックの運行の安全性を確保するために遵守すべき基本的事項 | 1.トラック運行に係る法令 2.義務を果たさない場合の影響の把握 |
③トラックの構造上の特性 | 1.トラックの特性に合わせた運転 2.トレーラーの特性に合わせた運転 3.貨物の特性を理解した運転 |
④貨物の正しい積載方法 | 1.偏荷重の危険性 2.安全輸送のための積み付けの・固縛の方法 3.荷崩れ防止のための走行中の注意点 |
⑤過積載の危険性 | 1.過積載による事故要因の社会的影響 2.過積載による罰則 3.カ制裁の防止 |
⑥危険物を運搬する場合に留意すべき事項 | 1.危険物の性状 2.危険物輸送の基本的事項 3.タンクローリー運行上の注意事項 |
⑦適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況 | 1.適切な運行経路の選択と経路情報の把握 2.許可運送における経路選択 |
⑧危険の予測及び回避並びに緊急時のおける対応方法 | 1.危険予測運転の必要性 2.危険予測のポイント 3.危険予知訓練 4.指差呼称及び安全呼称 5.緊急時における適切な対応 |
⑨運転者の運転適性に応じた安全運転 | 1.適正診断の必要性 2.適正診断結果の活用方法 |
⑩交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因及びこれらへの対処方法 | 1.交通事故の生理的・心理的要因 2.過労運転防止のための留意点 3.飲酒や薬物の影響による危険運転防止のための留意点 4.ヒューマンエラーを防ぐために |
⑪健康管理の重要性 | 1.健康起因の事故と健康管理の必要性 2.健康管理のポイント |
⑫安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法 | 1.運転支援装置に係る事故の事例 2.運転支援装置の性能及び留意点 |
トラック運転者新規雇い入れ時の確認事項
1)過去3カ年の事故歴を自動車安全運転センターが発行する「運転証明書」を取得して把握する必要があります。
2)過去3年以内に初任診断を受診したことがある、なしを確認。
①「無し」の場合、初任診断を受診「初任運転者教育座学15時間を実施」
②合わせて添乗指導20時間以上実施。
③「有り」の場合、診断結果の確認の確認
3)死亡事故、重傷事故惹起者又は連続事故惹起者に限る
①過去3年以内のトラック運送会社での運転経験の「有り」「無し」を履歴書の職歴で確認
②「有り」の場合、「特定診断Ⅰ又はⅡを受診」事故惹起教育を6時間実施
②「なし」の場合、「特定診断Ⅰ又はⅡを受診、事故惹起者教育を6時間実施
・「初任運転者教育を実施」(添乗指導を含み35時間以上)
・初任運転者教育は「プロドライバー」として「ミドリナンバーの仕事」の基本を学ぶことで、「すぐ働いて欲しい」「人手が少ない」等の理由でおろそかになるケースがあろうかと思いますが、法律で決められたことと会社の採用者への考え方が問われます、「座学15時間」と「運転添乗20時間」はきちんと実施すべき内容です。
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