トラック運送業の管理、現場に必要な安全衛生について

事故の種別について

【警視庁:交通事故とは】
1.交通事故とは、道路交通法第2条第1項に規定する道路において、車両等及び列車の事故によって起こされた事故で、人の死亡又は負傷を伴うもの(人身事故)並びに物損事故をいいます。
2.死亡とは、交通事故によって、発生から24時間以内に亡くなった場合をいいます。
3.重傷とは、交通事故によって負傷し、1カ月以上の治療を要する場合をいいます。
4.軽傷とは、交通事故によって負傷し、1カ月未満の治療を要する場合をいいます。
5.負傷とは、重傷と軽傷の合計をいいます。

【参考:物流業の一つの参考定義】
1.重大事故
 ①誤出荷等のお客様に関するトラブル
 ②お客様の構内で発生したトラブル
 ③吊荷の落下、倉庫の荷崩れ、輸送中の大きな荷くずれ
 ④車両の横転、衝突、船舶の衝突
 ⑤商品の損害規模の大きな物、商品への大量不適合
 ⑥社会的影響の大きい被害を発生させた事故
 ⑦その他物流担当部署への報告が必要と判断した場合

2.準重大事故
 ①一歩間違えば重大事故に発展する可能性のある事故、トラブル
 ②情報の共有化および水平展開が必要と思われる事故、トラブル
 ③物、人に損害、損傷をあたえる可能性にある事故、トラブル
 ④お客様から物流関連に関するクレーム等のトラブル

【職長の業務=安全キーマン】
1.作業手順の作成
2.作業方法の改善
3.労働者の適正配置
4.部下の教育、指導
5.日常業務での監督、指示
6.設備の改善
7.作業環境条件の改善、保持
8.安全衛生点検
9.異常時の措
10.災害発生時における措置
11.労働災害防止についての関心の保持
12.労働災害防止に対する労働者の創意工夫の引き出し

安全はすべてに優先する

1.「安全第一」  アメリカのUSスチール社 ゲーリー。
2.安全を度外視してまで、急いでやる仕事はないの意味。

管理手法=OSHMS⇒労働安全衛生マネジメントシステム

1.経営トップが「安全活動の想い」を安全方針として表明し、その方針が自社の労働者のみならず、パートナー企業の労働者一人一人に至るまで理解されるように努力するシステム。

安全パトルールの活性化

1.過去3年に実施したパトロールの結果を分析し、同時間内で発生した事故と比較し、因果関係を調べる。
2.参加者のパトロール加え、会社側と従業員側それぞれから2~3名のグループ化を作り、パトロールを実施する。
3.実施時期、実施者、巡視経路、パトロール重点ポイントを示す実施要領を作る。
4.パトロール実施者に対する安全衛生教育を定期に継続して実施する。

安全意識とは

1.人の注意力には限界がある。一方では人の注意力だけに頼らない。
  設備改善・設備環境など安全対策「本質安全化」を進める。
2.視点と作業点を一致させる。見ているけれど、見えてはいない⇒有効な指差呼称で安全な行動を呼び覚ます。

不安全な行動とは

1.職場での災害のほとんどは、設備や環境の「物の不安全な状態」と
  作業者の「不安全な行動」が重なったときに発生する。

2.「危険は分かっていたけど」「これぐらいは大丈夫だろと甘く見ていた」
  「禁止されていることを知らずに」「考えごとをしていた」「思い違い」

3.製造業における労働災害の「不安定な状態別」「不安定な行動」が認められた労働災害の割合は85.6%

労働災害の発生原理(ハインリッヒ:産業災害防止論)

1.ドミノ理論 ①環境的欠陥 ②管理的欠陥 ③不安全状態・不安全行動 ④事故 ⑤災害
  労働災害は常に事故によって引き起こされ、事故は常に順次それに先立つ要因の結果である。

2.事故や災害の4つの要因(4M)と、不安全な状態や不安全な行動が合致することにより災害が発生
 ①Man(人的要因)
 ②Machine(機械要因)
 ③Medea(環境要因、ManとMachineをつなぐ媒体)
 ④Management(管理要因)

車輛上の注意 
1.車両上での玉掛け合図をしてよい場合。
 ①ワイヤーロープが緊張するまで
 ②低位置から荷台へ微動巻き下げて着地するとき(100~300ミリメートル)
2.荷台上で玉掛け合図を行ってはいけない場合
 ①1メートル以上の高さの荷台で、玉掛け作業を行う場合は転落防止措置を講じるか、
  または荷台以外に退避場所を設ける必要がある。

<荷役作業時における堕落災害防止対策として>
・高所作業をできるだけ回避すること
・安全な作業を設置すること
・安全な作業床の設置が困難な場合は、安全ネットや安全帯を使用すること
・床面と荷台、床面と荷台上の荷との昇降について安全に昇降できる設備を設置すること
・荷役作業では墜時保護用の係護を必ず着用すること

災害発生率
1.年千人率とは、1年間の労働者1,000人当たりにどのくらい死傷者が発生しているかという
  割合を示すものです。
  年千人率=年間死傷者数÷年間平均労働者数×1,000で求められます。

2.度数率とは、100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。
  同一人が2回以上被災した場合には、死傷者数はその被災回数として算出している。 
  度数率=労働災害による死傷者数÷延べ実労働時間数×1,000,000で算出されます。
  度数率が高いほど、労働災害の発生件数が多いことを表しています。

3.強度率とは、1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数をもって、
  災害の重さの程度を表したものです。
  強度率=延べ労働損失日数÷延べ実労働時間数×1,000で計算されます。
  強度率が高いほど災害の程度が大きいことを示します。

  • 安全には限りがありません、「不安全状態」「不安全行動」は人である限り「ゼロ」にすることはできませんが、1年に1回の事故を3年に1回、5年に1回にすることは可能です。日々の積み重ねで「ゼロ」に近づける努力を継続することが大事です。事故が起きる前に「リスク」を事前に検討し対策を打つことも必要です。みんなの力で事故の少ない会社にするように努力しましょう。

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